1,000億件の「意思決定」を突破 — そしてこれからも

1年前、私たちはシリーズAの資金調達を発表し、マーケティングのやり方を根本から変える新しいアプローチに踏み出しました。
そして今回、Auxiaが顧客のために行ってきた意思決定の数が、累計1,000億件を超えました。
ここでいう「意思決定」とは、顧客一人ひとりに対して行われる細かな判断のことです。
どのコンテンツを見せるのか、いつ届けるのか、どのチャネルを使うのか、どんなメッセージにするのか。
こうした判断を、AIがリアルタイムで、継続的に行い続けています。
ただ、重要なのはこの数字そのものではありません。
この仕組みによって、お客様のビジネスがどう変わったのか——そこにこそ意味があります。
実際に、次のような成果が生まれています。
- エンタープライズ導入で、初年度に1,200万ドルの増分収益を創出
- クリックスルー率が5倍に向上
- クロスセルにおける顧客生涯価値が84%向上
- 従来のルールベースシステムからの移行により、新規登録数が50倍に増加
なぜここまで結果が変わるのか
ポイントはシンプルです。
マーケティングのやり方そのものが変わっているからです。
これまでのマーケティングは、「キャンペーンを設計して配信する」ことが中心でした。
あらかじめセグメントを切り、施策を作り、まとめて届けるやり方です。
一方でAuxiaは、顧客一人ひとりに対して、その場その場で最適な判断を行います。
そしてその判断を、次の判断につなげながら、連続的に積み重ねていきます。
つまり、「施策を打つ」から「意思決定を続ける」への転換です。
この違いが、そのまま成果の差になっています。
なぜこの仕組みが必要だったのか
この発想は、私たちの原体験から生まれています。
Google在籍時、私たちは最先端のAIを使って、大規模なパーソナライズが実現される現場を見てきました。
一人ひとりに最適化された体験が、リアルタイムで提供される世界です。
一方で多くの企業では、状況がまったく違いました。
マーケターは10以上のツールを使い分けながら、データを持っているにもかかわらず、それを十分に活かせていませんでした。
なぜなら、既存のツールはAIを前提に設計されていなかったからです。
AIは後から追加されてきましたが、やり方自体は変わっていませんでした。
Auxiaがやっていること
Auxiaは、この前提を変えるために作られています。
特徴はシンプルで、「すべてをつなげて判断する」ことです。
例えば、
・購入を促すべきか
・新しいサービスを試してもらうべきか
・関係性を深めるべきか
といった複数の選択肢を、その都度バランスを取りながら判断します。
さらに、メールやアプリ内通知、Web、アウトバウンドなどのチャネルも分断せず、まとめて扱います。
その結果、顧客ごとに「次に何をするべきか」が常に更新され続ける状態になります。
顧客の広がり
この1年で、Fortune 500やGlobal 2000を含む企業との取り組みが大きく広がりました。
現在、Atlassian、Assurant、The Guardian、Comcast、メルカリ、MUFG、NTTドコモなど、多くの企業で活用されています。
特徴的なのは、一度導入すると、活用が全社に広がっていくことです。
その結果、顧客あたりの意思決定数は6倍に増加し、ネットドルリテンションは176%に達しています。
プロダクトの進化
プロダクトとインフラも、それに合わせて進化してきました。
- マーケターが自然言語で収益インサイトを得られる アナリストエージェントをリリース
- 意思決定、コンテンツ生成、分析を一体化した AI ネイティブインターフェース を提供
- 1日あたり100億イベントを処理し、ピーク時には毎秒15,000クエリに対応(2025年初頭比で約3倍に拡張)
チームとグローバル展開
VMG Technology Partners主導の 2350万ドルのシリーズAラウンドにより、プロダクト開発と市場展開を加速し、組織は前年比で4倍に拡大しました。また、以下のメンバーが新たに加わっています。
- リッチ・アンステット 最高収益責任者として入社。スマートリクルーターズやカルチャーアンプなどの企業で25年間グローバルGTMチームを率いてきました
- 吉嗣浩隆 日本支社での代表取締役として入社。Google本社にて Google Play国際展開の立ち上げ をゼロから主導してきました。
- エリック • バーバー プロダクトマーケティング担当副社長に就任。
- プロダクトおよびエンジニアリングの主要メンバー: プリンカ・ワドワ、 ナガラジハッティ、および シッダーダ・ガリメラ
現在は、パロアルト、東京、バンガロールの3拠点で事業を展開しています。
これからの展開
1,000億件の意思決定の価値は、数そのものではありません。
その裏で、「判断の蓄積」が起きていることにあります。
すべての意思決定には、その時の状況と結果が紐づいて記録されます。これが積み重なることで、企業ごとに独自の知見がたまっていきます。
つまり、使えば使うほど、より良い判断ができるようになるということです。
これまで人に依存していたマーケティングのノウハウが、システムとして蓄積され、再利用されていきます。
そして今、大きな分岐点に来ています。このような仕組みを取り入れる企業と、従来のやり方を続ける企業の差は、これから急速に広がっていきます。
先に動いた企業ほど、データ・顧客体験・収益のすべてで優位性を積み上げていきます。
1,000億件という数字が示しているのは、その可能性です。
AIが人を置き換えるのではなく、人とAIが一緒に意思決定を行う。より速く、より正確に、より大きな成果を出すために。
それが、私たちがAuxiaで実現しようとしていることです。
Sandeep Menon is the Co-founder of Auxia and a former VP of Marketing at Google. With 14 years of experience leading growth for Google Payments, Android, and Chrome, he now focuses on the strategic future of AI-driven customer personalization.



